中小企業向けの助成金「両立支援等助成金」の内容が令和6年1月より新しくなっています。
「育休中等業務代替支援コース」が新設され、助成金の対象が拡大されるとともに支給額も大幅に増額されています。
業務代替への助成金はこれまでもあったが…
育休中の人の仕事を社内でカバーする体制整備については、以前から両立支援等助成金が支給されていました。
業務を代替している同僚に会社から応援手当などを支給した場合は10万円、業務代替のために新しく人を雇った場合は50万円などと定められていました。
令和6年1月からの拡充内容
令和6年1月からは両立支援等助成金の中に「育休中等業務代替支援コース」が新設され、内容が大幅に拡充されています。
主な変更点は次のとおりです。
育児短時間勤務の業務代替も対象に
これまでは育児休業の代替業務だけが対象でしたが、育児短時間勤務の人の仕事をカバーした場合も対象となっています。
支給額の大幅な増額
業務を代替する人に会社から応援手当などを支給した場合、業務の体制整備の経費として5万円、さらに応援手当の4分の3が助成金として支給されます。
育児休業者1人あたり月10万円が上限で12ヵ月分までが対象となるため、1人あたり最大125万円が支給されることになります。
育児休業の要件緩和
これまでは「3ヵ月以上」の育児休業を取得した場合のみ、助成金の対象となっていましたが、要件が緩和され「7日以上」の育児休業が対象となっています。
業務代替のために新たに人を雇った場合の助成額は、これまでは50万円でしたが、変更後は育休期間に応じて9万円~82.5万円の間で段階的に設定されています。
なお、育児短時間勤務については「7日以上」ではなく「1ヵ月以上」の利用が必要です。
詳しくはこちらを参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/001177133.pdf
その他、助成金には細かい要件があるため事前の確認が必要です。
育児休業を取得しやすい職場の雰囲気に
令和4年10月より育児休業の分割取得ができるようになったほか、「産後パパ育休」が創設されたことなどにより、短期間の育児休業を複数回取得することが可能になっています。
短期間の休業であれば、業務の代替のために人を雇うことはせず、今いる人たちでカバーしようとなることが多いかと思いますが、カバーする側は業務が増えて不満を感じることがあるでしょう。
また、休業する側も同僚に負担をかけるのが心苦しく、休みづらいと感じてしまうことがあります。
業務をカバーする人に会社から手当を支給する仕組みは、育児休業を取得しやすい職場づくりに大きな効果があると言えるでしょう。