社会保険労務士
岡田人事労務管理事務所

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定額減税、6月からの給与計算はどうなる?

2024年2月13日、「定額減税」を盛り込んだ税制改正法案の審議が国会で始まりました。

給与から所得税と住民税の減税をおこなうというものです。

まだ決定したわけではありませんが、もし成立すれば2024年6月支給の給与計算から企業が対応しなければならないことになります。

かなり複雑な内容なのでよく理解して準備する必要があります。

法案成立前ではありますが6月までもうあまり余裕がないため、国税庁が「定額減税」の特設サイトを設けてパンフレットやQ&Aを公表して事前の周知・広報をおこなっています。

6月支給の給与計算から、会社はどのような処理をしなければならないのか、簡単に説明します。

定額減税とは

急激な物価高騰による家計負担を軽減するため、以下の額を減税するものです。

1人あたり

・所得税3万円

・住民税1万円

・・・・・合計4万円

扶養家族の分も減税するので、例えば扶養家族が2人いるのであれば本人とあわせて3人分、つまり12万円の減税となります。

住民税非課税世帯など低所得者に対しては「給付」が行われ、「定額減税」は低所得者以外の人について行われます。

定額減税は勤務先の会社で実施する

給与所得者については、この定額減税の計算を勤務先の会社で実施しなければなりません。

給与計算時に、本来納めるべき所得税・住民税から減税分を引いていくという作業です。

まずは対象者を把握して減税額を確定させ、月々の給与計算時に減税処理をおこない、年末調整で最終調整をおこなうという流れになります。

2024年の年末までに引ききれなかった減税分は、1万円単位に切り上げて給付がおこなわれる予定です。

対象者と扶養家族の人数を把握する

6月までにやるべきことは対象者の把握です。

6月1日時点で在籍している社員が対象となります。

副業など「乙欄」の人は対象外です。

年収2000万円以上の人も対象外ですが、いったん他の人と同じように減税して、年末調整で減税分を返してもらうという処理になります。

扶養家族も把握しなければなりません。

昨年末に提出された扶養控除申告書などで扶養家族の人数は把握できているかと思いますが、定額減税の対象となる扶養家族の要件とは異なる点があるため、あらためて把握しなおす必要があります。

異なる点とは、たとえば次のような点です。

・海外に住んでいる家族は対象外

・16歳未満の子も対象 など

国税庁から「源泉徴収に係る定額減税のための申告書」という様式が出ていますので、そこに扶養家族の情報などを記載して提出してもらう必要があります。

住民税の減税方法

住民税は、6月支給の給与では対象者は全員ゼロ円となります。

その後、住民税の年額から減税分を引いて11ヵ月で割った金額を7月以降の給与で納めていく形となります。

所得税の減税方法

所得税については、6月支給の給与で本来控除すべきであった所得税額から減税分を引きます。

例えば、6月の所得税が1万円だったとします。

扶養家族がいない社員であれば減税額は3万円です。

6月の所得税を0円にしてもまだ2万円分の減税額が残っていますが、これは7月給与、8月給与・・・と翌月以降の給与で3万円に達するまで引いていきます。賞与がある場合は賞与からも引きます。

定額減税として引いた額は給与明細や賞与明細に記載しなければなりません。

「各人別控除実績簿」を作成する

このように、何ヵ月にもわたって減税処理が必要となるため、この社員は減税額が総額いくらで、あといくら残っているのか把握しておく必要があります。

そのため政府は、「各人別控除事績簿」(Excel)を作成して管理するよう会社に求めています。

まだ審議中で、今後変わる可能性もありますが、国からの情報をチェックして準備しておく必要があるでしょう。

参考:定額減税特設サイト
https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/index.htm