労働安全衛生法では、常時50人以上の労働者を使用する事業場について、産業医を選任するよう義務づけています。
常時50人未満の事業場には、労働者の健康管理に必要な医学知識を持つ医師等に、労働者の健康管理の全部または一部をおこなわせるよう努力義務を定めています。
労働安全衛生法では、長時間労働により疲労の蓄積した労働者から申出があった場合は、医師による面接指導を実施しなければならないとされています。これは平成20年4月より小規模事業場にも義務化されています。
しかし、労働者数50人未満の小規模事業場では、コストの面などから独自に医師等と契約して、労働者に対する面接指導や健康相談をおこなうことは困難です。
こうした事業場について、厚生労働省では「地域産業保健センター」の利用を勧めています。
地域産業保健センターでは、産業医の選任義務のない小規模事業場の事業者や労働者に対する各種の産業保健サービスを無料で提供しています。
<地域産業保健センターの無料サービス>
①健康相談窓口
健康診断結果にもとづいた健康管理、作業関連疾患の予防方法、メンタルヘルスに関することなど、医師や保健師が健康相談に応じています。
②個別訪問による産業保健指導
医師等が、訪問指導を希望する事業場を訪問し、労働者の健康管理についての指導、助言、または作業場の巡回をおこないます。
③情報提供
産業医としての要件を満たす医師等の名簿を作成し、希望する事業場に情報提供しています。
④長時間労働者へ面接指導
小規模事業場を対象とした、長時間労働者への医師による無料の面接指導の窓口を設置しています。